イチ*コイ



 そんなこと言ったことねぇし。

 今までテキトーに付き合ってたから…。

 けど美華は今までの女とは違うし、ちゃんとしたい。

 一息吐いて、美華の目を見る。


「好きだから、…俺と付き合って」


 うっわ…まじめに照れる。

 顔熱いし…だっせー。


「喜んで!」


 にっこり笑って言う美華。

 やっぱこいつ…ケイさんの妹だわ。

 知らない内に振り回されてる。

 しかも本人たちは気付いてねぇし。

 …負けてらんねぇ。


「…名前、呼んで」

「え…っ」

「呼べよ」


 耳元で囁く。

 振り回されるとか、嫌だし。

 いつでも優位に立つのは俺でいたい。


「呼べないよ…っ」

「呼べって、じゃなきゃ襲うぞ」

「っえ…!!」


 これ以上ないってくらい赤くなる美華の顔。

 ククッ…遊びすぎたか?


「そういやぁお前、彼氏居たことあるか?」

「ん…うーん、微妙なのが1人…」

「はあ?」


 まじかよ…。

 胸の奥からどろどろしたモンが溢れてくる。

 ああ…これ嫉妬だったんだな。

 今やっと気が付いた。


「いつ?」

「小学…3年生?のとき」


 小3って…ガキじゃん。

 嫉妬して損した…。


「で?」

「でって…好きって言われて、あたしも好きって言って…終わり」

「それで終わりかよ」


 まあ確かに…そんなんあったら、ちゃんと確認したくもなるよな。

 俺の中でそいつはカウントしないことにした。

 じゃあ俺が初カレじゃん。

 うわ…なんか、にやける…。


「斗真くんが初めての彼氏だねっ!あ…」

「そーだな…うん、お仕置きな」

「ちょ、ま…っ、あははっ」


 お仕置きとして、くすぐりの刑。

 こんなの初めてだし。

 やっぱ美華は特別…だな。

 笑い転げる美華を見て、俺も笑った。





< 162 / 238 >

この作品をシェア

pagetop