俺様王子と秘密の時間
ドキンドキン……。
自分の耳元に心臓があるんじゃないかってくらいに鼓動は激しく増していた。
それだけでバレてしまいそう。
「どうしたのよ?具合悪いの?」
「はーちゃん……ごめんね……なんか頭痛くて……」
苦し紛れの言い訳。
ものすごく罪悪感を感じた。
「シイ大丈夫?先生に言ってこようか?」
「だ……大丈夫!もう寝るから」
「そう?」
お互いの表情は見えないけれど、きっと千秋は笑いを堪えている。
さっきから肩が震えてるし、クスッなんて声も聞こえた。
「あのさ……シイ?」
「な、なに?」
「羽鳥となんかあった?」
「………」
はーちゃんの問いかけに、心臓をわしづかみされたようだった。
「羽鳥の部屋であたしとコウと話してたんだけど、さっきから様子が変なのよねぇ、アイツ……」