俺様王子と秘密の時間


あたしは見上げるようにそっと千秋に顔を向けると、視線が絡まった。

すぐに逸らしたかったけれど、千秋の瞳があまりにも真剣だったから出来なくて。

瞬きすることすら忘れた。



「やめるか?」

「え……?」


黙りこくるあたしを見兼ねた千秋は、突然あっさりとそう口にした。



「もうこれで最後にするか?」


なんの感情もこもっていない口調に、あたしの胸が震えた。

“最後”だなんて、そんな直接的な言葉を千秋から言われて戸惑いを覚えた。



「お前が嫌ならそれまで。オレとお前とのことはなかったことにすればいいじゃねぇか」


千秋は無表情のまま淡々として続けるから、戸惑いを通り越して怖くなった。


鼻の奥がツーンと熱くなって、千秋の顔が滲んで見える。



「なによぉ……逃がさねぇなんて言ったクセに……」


熱いモノがポロポロ溢れてきた。

 

< 247 / 511 >

この作品をシェア

pagetop