俺様王子と秘密の時間
◆メガネ男とKISS
少しずつ西に傾く太陽があたしとはーちゃんを真っ直ぐ照らした。
「はーちゃんが千秋のこと好きなのはわかってるよ。でもね……」
恋っていうのは言ったもん勝ちみたいな部分があって、先に言われてしまうと、もし自分も同じ人を好きでも言い出せない。
だからって先手を打ったわけじゃなくて、はーちゃんにはもう隠しごとをしたくないって思った。
「夏合宿の時、はーちゃんに対して罪悪感でいっぱいで……」
「は……?」
「だけど、あたしもう恋……」
「ちょ……ちょっとストップ!」
話し続けるあたしにはーちゃんは両手を突きだしてそれを止めた。
……やっぱり驚いたよね?
はーちゃんは口を開けたまま目をパチパチさせて混乱している様子。
「ち……千秋?」
「うん……」
「それって王子のことだよね?」