俺様王子と秘密の時間


……ずっと曖昧に誤魔化し続けてきたけれどあの夜あたしはやっとわかった。

もう誤魔化しきれないんだと。



意地悪だしからかってくるし……おまけにエッチだし。

だけど肝心な時は助けてくれて、不器用な優しさにいつだって胸の奥がくすぐったかった。



端正な顔にブラウンの瞳

それは吸い込まれてしまいそう。

余裕たっぷりで意地悪な笑み

鼻を撫でる甘い香り

力強い腕と大きな手

不器用な優しさ

眉を下げて優しすぎるくらいに微笑む顔。

小さな仕草の一つ一つにさえも、あたしの全てが反応するの。


もっと触れていてほしい。

抱きしめたら離さないでほしい。


いったい自分の身体のどこからそんな感情がこみあげてくるのか。

こんなにもどかしくて、少しだけ胸の奥が苦しくなって、鼓動が加速して。

そんな感情を“恋”って呼ぶんだと思った。





………千秋が好き。


もう、止まらないよ。

 

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