俺様王子と秘密の時間


春休みを挟んだけれどあの顔を忘れないように必死に頭に焼きつけた。


入学式の日。

彼の姿を探した。

きっと彼も受かったハズだと決めつけていたし、やっぱりもう一度会いたいと思った。


でも見つけられなくて、もう諦めようとしていたら前から歩いてきた人物にぶつかってよろめいてしまった。


『キミ、大丈夫?』


振り返った先には、ミルクティー色の髪をした彼が居た。


『あっ……!』


髪色を変えていたって、あたしにはすぐに彼があの時のメガネ男だってわかった。

嬉しかった。

また彼に会えたから。


『あの時は……』


でも何故か“ありがとう”が言えなかった。

彼は目を細めて笑った。


『だから言っただろう?受かるって。良かったね』


彼の名前は佐久間 慎。




その日から無意識のうちに目で彼を追うようになっていた。

気づいたら、いつの間にか彼を好きになっていた。

 

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