俺様王子と秘密の時間
「ん……っ!」
後頭部を押さえつけられたあたしは何度も手を突っぱねる。
目を開いていても部屋が暗がりで、微かに射し込む月明かりが目を伏せている羽鳥を照らした。
二回目のキスは色んな気持ちがぐちゃぐちゃに混じり合って。
――ただ、苦しかった。
「シイ……」
そっと唇を離した羽鳥は吐息が混じった小声でそう囁いた。
「帰る……」
あたしは勢いよく立ち上がると、ハンガーにかかる制服を取った。
「シイ、待てよ……」
「羽鳥の両親だって帰ってくる時間帯でしょ」
「親父は泊まり込み、お袋は帰省中だから誰も帰って来ねぇよ」
「か、帰るんだもんっ!」
目まぐるしくなるようなことばかり起きて耐えられなかった……。
「帰さねぇよ」
「きゃ……」
いきなり腕を掴まれたせいで、足がもつれてあたしと羽鳥はそのまま後ろのベットに倒れこんだ。