俺様王子と秘密の時間
反射的に瞑った目を開くと羽鳥があたしを股ぐ形で上に居た。
「どいて……帰るんだから……」
あたしの頭のわきに両手をついてる羽鳥の顔が真上にある……。
「千秋が好きなのか?」
「……っ」
「答えろよ、シイ」
ウェーブの髪の隙間から切れ長の瞳を覗かせているから思わず目を逸らしてしまった。
好きだなんて言えないよ。
羽鳥はいつも隣に居てくれて、じゃれあって笑い合っていたのに。
いつからこんな風に微妙な距離が出来てしまったんだろう……。
初めて“シイ”って呼んでくれて、初めて男の子に優しくされた。
――“友達以上恋人未満”
その言葉が今さらずっしりと胸にのししかったような気がした。
「羽鳥のこと好きだよ……。友達として。でも“恋”にはならないの……」