俺様王子と秘密の時間
お祭り気分になんてなれないよ。
“恋”ってもっとキラキラしてるものかと思っていたのに……。
「ふーん……そんなことがあったの?」
昼休み、開放的になった教室で昨日のことをはーちゃんに話した。
「ふーんって……あたしはもうどうしたらいいかわかんない……」
はぁああああああ……。
ため息ばかりが出るよ。
「だって、羽鳥の気持ちなんて、あたしもコウもとっくにわかってたよ?」
「え……?」
はーちゃんは売店で買った焼きそばパンを頬張りながらあたしをチラッと見た。
そして「はぁああー」とわざとらしいくらいのため息をついた。
「見てればわかんのよ。それに女遊び激しい羽鳥でも、アンタにだけは絶対に手を出さないしね?」
いつになったら気づくんだか、とはーちゃんは付け足した。
あたしは苺ミルクを飲みながら肩をすくめた。
またチクンと胸が疼いた。