【中】好きになりました、付き合ってください!!
「ざけんな!!理由言えって」


左手首を掴まれると、真剣な亮佑くんの目と視線が絡まった。


「い、言えないっ」


亮佑くんに嫌な思いをさせたくない。




「何だそれ……やっぱ嫌だったとか?」


辛そうな顔になる亮佑くん。


そっか…言わなくても結局、亮佑くんはうれしくない。

あたしの醜い部分も、隠すわけにはいかないんだ…。


亮佑くんが好きだから。




「…違うの。また亮佑くん、嫌な気持ちになると思う」


「……そんなのわかんねぇじゃん」


一つ大きく息を吐いて、決心した。


「あ、あのね…亮佑くん慣れてるなって……RIKOとも…って考えちゃって」


「え?」


「ごめんね、どうしようもないって分かってるんだけど…」


ドキドキ


亮佑くんの声を待つ間、固く目を閉じた。
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