蒼空へのシュート  ~先生への想い~
『はぁー』

さっきから、机に向かっているのに数学の課題が解けないこともあり大きくため息をつく。


ため息をつくと幸せが逃げていくのだと、何かの本に書いてあったっけ…


もう、何度ため息をついているんだろう。


『もぅ、数学なんて嫌い』


そういって、テキストを閉じて、現国のノートを取り出した。


先生の声が聞きたい。


ノートにはあの詩が書かれていた。


声に出して読んでみる。


でも、今の私には先生の声が聞こえない。





宮本遼介



先生の名前を書いてみる。



    宮本遼介







先生、これから私はどこに行くんだろう?



一緒にいるはずの友達も気がつくとどんどん先に歩いていってしまう。



先生、私は何をしたらいいんだろう。



先生の声が聞きたいです。



それからノートのはじに自分の独り言をつい書いてしまう。


授業中も、先生の横顔を見ながら。


今日の空は何でも吸いこんでくれそうな青空です。


私の思いも晴れることはできるのかな。



先生、私の声、聞こえますか?
< 102 / 207 >

この作品をシェア

pagetop