【盲目の天使】番外編

「うっほん!!」


え?ルシル?


「そこまでです。カルレイン様。

リリティス様のお支度は、まだ万全ではありませんからね!」


なんとルシルは、ほんのりと頬を染めたまま、果敢にも二人の間に割ってはいると、

カルレイン様と俺の背中を押して、部屋から追い出してしまった。


その目は、カルレイン様じゃなく、俺を批判しているような・・。


『この野獣を鎖に繋いでおきなさい』


そんな心の声が聞こえた気がしたのは、気のせいかな・・。


「ちっ!いいだろう。少しくらい。

まったく、ルシルも侍女頭になったとたん、お前の母のようにうるさくなってしまったな」


カルレイン様が不機嫌そうに俺をちらりと見ると、背後から懐かしい声が聞こえた。


「誰のように、うるさいですって?」

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