思い出に変わる時・・・・
「これ読んで~♪」



村上は私の目の前で藤田のポケットに、ハート型に折られた手紙を入れた。



藤田は私の視線に気づいたのか、



慌てて後ろを歩く私の方を振り向いた。



付き合ってから初めてのフリーズ。



階段の踊り場で、私は動けなくなっていた。



何秒経ったか、何分そこに立っていたか分からない・・・・



『さっき私に怒ったよね・・・?』



悲しすぎて・・・腹が立ちすぎて・・・



よく分からないまま何も言わずに3階の教室に向かう。



「おい奈緒=3」



階段の下から藤田は叫んでる。



『帰ろう・・・・』



今にも泣きそうで学校にはいたくない・・・・



どの道から帰っても、私の教室から外に出るには絶対に藤田の教室から見える道しかない・・・



『走ればいいか・・・』



「梓ちゃん・・・しんどいから帰る。」



私は誰にも理由は言わずに教室を出た。



1階まで降りた時に授業が始まるチャイムが鳴る。



私は大きく深呼吸を一度して、



『せーの!!!』



私は藤田の視界から一瞬で消えるようにダッシュで走った。



『見てませんように=3』



「奈緒!!!」



ガラガラッ=3 というドアを開ける大きな音と同時に藤田の叫び声が聞こえた。



『あ~~~~見つかった!!!』



私は呼び止める藤田の声に全く振り向かずに学校から走って出て行った。



『今日は顔も見たくない・・・』



素直に立ち止まってポケットにハート型の手紙を入れられてる姿・・・・



有り得ない・・・



家に帰ったらドアを開けてないけど、電話がひっきりなしに鳴っている。



相手は分かっている。



私は電話の線を抜いてふとんにもぐった。



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