分校物語 ~夏~
④
慎吾の母親との面談の日。
清貴と永岡は、教室で移動式の折りたたみテーブルの前に座っていた。
午後四時でも窓からは強い陽差しが入ってくる。
梅雨も明けて真夏の気候になっていた。
教室の中も三十度以上あって蒸し暑い。
「暑いですね。扇風機の風を強くしましょう」
清貴は、家庭で使う小さな扇風機のレベルをあげた。
「長嶋先生、すいません」
突然、永岡がうかない表情で言った。
「どうしたんですか? 」
「私が未熟なものですから、長嶋先生にも父兄との面談まで手伝ってもらうことになってしまって・・・」
「そのことですか。いや、別に気にしないで下さい。自分は、ここでの仕事は楽しいと思ってます。こんなことは、永岡先生しか言えないんですが・・・」
長嶋は、笑顔で答えた。
「本当は、上田先生や野村先生の正教職員が面談には立ち会うのがいいんですが、今、いろいろ大変な時期で、二人とも・・・余裕がないみたいで・・・」
永岡が説明に困った様子だった。
「大変な時期って? 」
清貴が不思議な顔つきで尋ねた。
「・・・」
永岡は、しばらく考えこんで、
「このことは黙っててくれますか? 」
「えぇ・・・」
清貴は約束をした。
清貴と永岡は、教室で移動式の折りたたみテーブルの前に座っていた。
午後四時でも窓からは強い陽差しが入ってくる。
梅雨も明けて真夏の気候になっていた。
教室の中も三十度以上あって蒸し暑い。
「暑いですね。扇風機の風を強くしましょう」
清貴は、家庭で使う小さな扇風機のレベルをあげた。
「長嶋先生、すいません」
突然、永岡がうかない表情で言った。
「どうしたんですか? 」
「私が未熟なものですから、長嶋先生にも父兄との面談まで手伝ってもらうことになってしまって・・・」
「そのことですか。いや、別に気にしないで下さい。自分は、ここでの仕事は楽しいと思ってます。こんなことは、永岡先生しか言えないんですが・・・」
長嶋は、笑顔で答えた。
「本当は、上田先生や野村先生の正教職員が面談には立ち会うのがいいんですが、今、いろいろ大変な時期で、二人とも・・・余裕がないみたいで・・・」
永岡が説明に困った様子だった。
「大変な時期って? 」
清貴が不思議な顔つきで尋ねた。
「・・・」
永岡は、しばらく考えこんで、
「このことは黙っててくれますか? 」
「えぇ・・・」
清貴は約束をした。