分校物語　～夏～

⑥

次の日の朝。
清貴が出勤すると、上田が永岡のデスクの前に立って怪訝な顔つきで話しをしていた。

清貴の顔を見るなり、
「どうして、余計なことをしたんですか！！」
上田は厳しい表情で言った。

「どうしたんですか？　」
清貴は、上田の言っている意味がわからなかった。

「さっき、永岡先生から昨日の面談の報告を聞きました。母親の再婚のことを、賛成か反対か、あなたが生徒に聞いてみることを約束したと聞きました」

「えぇ・・・そのことでしたら、慎吾君に聞いてみようと思います」
「どうして、そんなことをするんですか！」

「いけなかったですか？　」
「い、いけないって・・・！　」

上田は呆れた顔をした。
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