分校物語 ~夏~

当時の清貴は、上役からの命令で何人もの社員に解雇を告げる人事の仕事をしていた。

始めは社員の解雇ということで罪悪感を感じていた。

そのため、思い悩む日もあった。

しかし、上役から「会社を救うためだから、鬼になれ! 」のひと言が清貴を変えた。

それ以来、清貴は指名感があるように人員整理の仕事をした。

その頃の清貴は、会社にとって不必要な人間なんだから、解雇される人間の方が悪いと割り切っていた。

そんな経験をしているうちに、清貴は平気で人を解雇するようになっていた。
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