レモン

Motorcycles.....


次の日小雨の降る中俊司が帰って来た。


疲れていたのか、
部屋に上がったっきり降りて来なかったので、
お父さんと朝食を取り家を出た。

昼にはきっと起きるだろう、
それまで待っていたかったけど、
学校に行かなければいけなかった。


ここ2・3ヶ月ほとんど学校に行っていない。

俊司の家に居るか、バイトをしているかだったから。


だけど一昨日、
学校から家に電話が入ったらしく親に散々怒られていたのだ。


久し振りに袖を通した制服が少し重く感じた。


教室の扉を開けたら中に居た皆がいっきに注目した。
お化けでも見ているかのようだ。

気にせず席に座りそのまま眠りにつく。
学校が終わるまで寝続けた。

その間、
誰も起こしはしないし話しかける人なんていない。



そこでは私の存在は消えていた。





もう、私の居場所なんて完全になかった。
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