レモン

血の気が引くのが分かった。


とっさに思いついた。

健が危ない!!

俊司が出て行ったのは10分前だから、
さすがにまだ着いてないはず。



俊司の携帯に掛けたけど、バイクだから出るはずがない。


少し迷ったが健に電話をし、事情を話した。

たまたま健の友達が側にいたので、
迎えに来てもらい駆けつけた。


健のアパートの前に着いた時、ちょうど中に入っていく俊司が見えた。



急いで2階に上がり健の部屋に入った・・・
が、もうすでに健は口から血を流して床に倒れていた。


健が見つめる先に俊司が立っていた、
俊司が一方的にやったと思っていた私は、その姿を見て驚いた。

俊司も口から血を流していたのだ。


そして2人は睨み合っていたと思ったら、突然笑い出した。



俊司が健に手を出して立たせ、耳元で何かを言って部屋を出て行った。




私は何がどうなっているか分からなかったが、
迷わず俊司を追いかけた・・・・・・。





「無理だよ・・・。」





残された健が零した。
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