記憶の破片
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…沖田さんと違って口は悪いけど。



『会いたくない奴に番号とアドレス教えるバカいるかよ』



ボソボソとした声だったけど、その言葉はしっかりと私の耳に入った。


…どうしよう。


嬉しすぎる。



「……」



『おい、聞こえなかったのか?』



「…聞こえたけど、難しくて意味がわからないです」



こんなこと言う私は総さん以上に意地悪なのかもしれない。


でも聞きたいから。


総さんの声で。



『……明日、16時だ』



結局肝心なところは言ってもらえなかったけど十分だった。



「はいっ」



また、明日会える。


沖田さん、早く約束を叶えたいですね。



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