君へのラブソング
過去を思い出すと、いつもそこには悲しい顔した両親。その真っ直ぐ俺を見る目から一筋の涙が頬を伝ってる。
喫茶店で歌詞を書いていたら俺を呼ぶ声が聞こえた。
「ゆー。」
父さんは俺を見付けるやいなや隣に座った。
「父さん。一人?」
「まーな。たまにはどうかなって思ってな。」
嬉しそうな父さんの笑顔に安心した。
「ゆーは?」
「作詞してんだ。」
父さんはカミングアウトしたその日、呼び名を変えてくれた。「ゆー」これなら男の名前だと思われるだろ?そう笑う父さんに、最初は素直にありがとうは言えなかった。
きっと「百合」には父さんと母さんの俺への想いが詰まったはずだから…
大切な名前を拒絶してるようで堪らなかった。
色々葛藤があっただろうに今、きちんと理解してくれる両親。
今の俺を見る父さんの目はあの頃とは似ても似つかない、穏やかな目をしている。