君へのラブソング

親の前で泣くのは、きっと幼稚園以来で久しぶりにみた俺の涙に両親は、なんとも言えない顔をしていた。

本当はそんな顔させたくなかった。黙って女のふりをしていたらそんな顔させなくて済んだのに。

「百合、ごめんね…」

掠れた声で母さんは言う。
ああ、どうして俺は"女"じゃないんだろう。ちゃんとした女だったら非の打ち所のない母さんが謝ることなんてなかったのに。

自分の身体が、心が、憎い。ただただ、憎い。

母さんはしばらく啜り泣き、父さんはその震える肩を抱き寄せる。

母さんを泣かせたのは俺
父さんを困らせたのは俺


俺は、生まれなきゃよかったと、この頃はよく思っていた。皆が算数の問題を解いているときも、俺はそんな思いをずっと小さい身体に詰め込んでいた。
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