君へのラブソング
そして、時は流れ結婚式の日がやってきた。
純白のドレスを纏い、髪を綺麗にセットしてもらって、メイクもプロの人がしてくれて、鏡の中の自分がまるで別人みたいでなんだか気恥ずかしい。
コンコン、とドアを誰かがノックする。どうぞ、と言うとがやがやと中学生からの友達が入ってきた。
「美奈ー!」
「うわ、超可愛いんですけど!」
あたしのウエディングドレス姿を見て、みんな興奮気味に口々に褒める。
「ありがとう。」
本当なら、ここに赤ちゃんがいた。きゅっと下唇を噛む。
「結婚、おめでとう。」
「ありがとう。」
「彼と素敵な夫婦になってね!」
みんな、流産のことを知っている。だから赤ちゃんのことは禁句と陰で決めてくれてたんだろう。
そんな優しさも、今は…。