君へのラブソング
「美奈!」
そうあたしを呼ぶ声がした。声の方を辿ると、愛しい彼の姿があった。
「り、く…」
来てくれたんだ。
嬉しくて、また涙が溢れた。
「美奈っ!」
あたしを見つけた陸は、泣きじゃくるあたしを優しく包み込んでくれた。
「陸…。」
乱れた髪、乱れた呼吸、早い心拍。
スーツを着ていることを踏まえると、会社から急いで来てくれたんだ。
あたしは愛されてると実感した。
「大丈夫、大丈夫だから。」
そう繰り返し言う、陸。
慰めなんだろうけど、その言葉で癒される痛みじゃないよ、陸…。