君へのラブソング

「陸…ごめんね。」

彼の背中に腕を回し、小さなか細い声で謝る。

「美奈は悪くないから。」


「でも赤ちゃんもう、…いないんだよ?」

口にした、真実。
その事実を話すとき、身体が震えた。

認めたくない真実。
でも、認めなくてはならない真実。

そっとお腹に手を添える。ここに、さっきまでいたのに…

陸はあたしのとめどなく流れる涙を親指掬って、言う。

「俺は美奈が無事なら…それでいい。赤ちゃんのこと、残念だけど…俺には、美奈が必要だから。
君が、生きてればそれだけで俺は幸せだよ。」

そんな甘い声を耳元で囁き、優しく頬にキスを落とす。
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