雨雲
「だって・・・
お父さんなんて呼べなっ」
「ドンッ!
ボコッ!バシッ!」
「うっせぇんだよ!
ガキのくせに色気付きやがって!」

お母さんは、今まで見たことのない顔付きで殴りかかってきた。

ばぁちゃんは止めない。
いつも、そうだ。
お母さんが怖いんだ。

「ゴメンなさい!!
もう言いません!
ゴメンなさい!」

殴られながら
何度も謝った。
何度も死んでしまいたいと思った。

夜中になれば隣の部屋で
親がエッチしている声が聞こえる。

もう生きてる意味なんて何もない・・・。

でも死ぬ勇気もない・・・。
「お父さん・・・
助けてください。」

泣きながら何度も願った。
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