うちのおネコ様

(5)合同なんちゃら

懐かしい友人6人と、慣れない6人は近くのファミレスへ向かった。
こんな大人数で高校生、しかも昼の3時。
行ける場所なんて限られている。

「じゃあ自己紹介でもしよっかー」
なんとなく慣れた様子で、みづきは12人のまとめ役になり始めた。
「ええと、○○高の●●●ッス」
「ええと、○○高の●●●です」
「ええと、○○高の●●●ッス」

・・・同じような挨拶。お前らもっと自分らしい挨拶はできないのか!!
高潮した身体とは別に、頭も心もフル回転で動き、しかも初めて会う男性(男子)に
文句までつけていたが、その反面自分の番が今か今かと恐ろしく長く感じていた・・・

ついに私の番がきた!
「あ、えと。。中西美子です。特技は・・・特にありません」
自分の番になって悩みに悩んだ挙句、流れに流された自分の挨拶が終わった後、私は自分を果てしなく呪った・・・。
声は低い、表情は硬い(多分赤面)おまけに気の利いた事さえ、言えなかった。


ん?気の利いたこと?

何?私はここで彼氏でも見つけようと実は思っていた?


いやいやいや!断じて!断じてないと言おう。
こんな形で、初めて会った相手にどうしろっていうのか!?

私はみんなが次第に打ち解けている間も、ずっと黙り込んでしまって、ずっと同じような
問題を自問自答していた・・・




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