うちのおネコ様

私とブルーが出かけてからしばらくして、ルディは人間の姿になったという。

その後ハルが家に戻ると、彼も後を追うように人間の姿になったらしい。

「そ、そうなの…」

ふーん、と私はどこか人ゴトのようにとらえてしまった。。。


じゃあ、あのまま家にいたら、私はハルとルディが人間になる姿を目撃していたのか。


…なんか、見たかったような、見たくないような。
っていうか、人間になった時は裸なんだっけ。。


じゃあ見れなくて良かったな、と私は勝手に妄想してつっこんだ。



茶髪の男性は膝をついて、私にむかって言った。
「美子、驚かせてごめんね。それにこの前も突然現れて…ちゃんと話せなかった。」


私は家に帰って初めて茶髪の彼の顔をちゃんと見た。
あっ!という顔をして、先日駅で私の肩を抱き寄せた人物と同じだと確証し、そして彼が「ハル」だという事を、本人の口からここでしっかり聞いた。



「うん。。。ルディとブルーから聞いていたから、なんとなくっていうか、わかってたから。大丈夫だよ。」

私は茶髪の好青年に戸惑いながら、笑顔を作った。


すると彼はとても穏やかで、そして優しい笑顔で「よかった。」といい、私の頭を撫でた。



一瞬、ギョッっとしたが、動揺を隠そうと、私は作った笑顔をくずさなかった。


横で見てたブルーもなぜか、私の肩に手をまわし、「大丈夫?」と言ってきた。



ちょ、ちょっと待って。
なんでアンタ達はそんなに触るってくる?


私は心の中でそう叫んだが、異性との「触れ合い」経験が少ない私は、その動揺を見透かされまいとなぜか思い、そしてブルーに対しても笑顔で、

「大丈夫だから」と答え、何事もなかったかのように立ち上がってみた。






< 88 / 89 >

この作品をシェア

pagetop