うちのおネコ様

(6)消えたネコ達


時刻は朝の6時過ぎ…少しずつ夏らしい日差しが顔を出してきた頃、私はまだクーラーの効いた部屋で、自分の布団の中でうずくまっていた。
昨晩布団に入ってから、考え事をしてほとんど寝ていない。

考え事って?


もちろん。


うちのおネコ様達のことである。



ついに、というか、どういう訳かうちのネコ達は3人同時に「人間」の姿で昨晩現れた。
一体どんな基準で人間になったりネコになったりするのかも、実際の所わからない。


私は昨日帰宅してからしばらく誰とも口をきけなかった。

というより、誰とも話をしたくなかった。



ブルーは家に帰るまでのおしゃべりな私が一変してしまったので、すぐ側で心配してるようだった。


金髪のルディは、落ち込んだ私を見て「何でそうなるんだ?」と首をかしげた。



茶髪のハルと思われる男性は料理をやめ、すぐに私の元へかけよって「驚かせてすまなかった」と、私に言った。


「ちょっと、待って…ね。まさか二人が人間になって、すぐに現れるとは思ってもみなかったので。。」


順番的にはまたハルが人間になるのかなと勝手に予想していた所だった。


それにハルとはろくにちゃんと会話もしていない状態だから、まずはちゃんと良い関係を築いて、そして彼の願いとよべるモノを一緒に考えてあげようと思っていた。



しかし、帰ってみればまるで自分家のようにくつろいでいる人と料理をする人がいて…



いや、でも彼らがハルとルディなのであれば、ここは(中西家)は、彼らの家でもあるのだ。




私はしばらく自問自答を繰り返して、なんとか心が落ち着くのを待った。




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