Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
ファーストフード 二階
去年の秋ごろ出来たとこ
窓際の席
一番端っこに座った
「びっくりしたあ…!」
「俺も俺も!
でも『それ』背負ってて
すぐにわかった」
「あははは!」
「ちょ…先に飯食わして
朝からなんも、食ってなくてさ」
茶髪、ニカーって笑いながら
ビッグハンバーガーに
勢いよくかじりついてる武藤くん
武藤、ヒロキとか言ったっけ
高三の時に、おなクラで
それまでも少し、話した事あったけど
友達になったのは、秋くらい
明るくて、いい奴だから
元々モテてたみたいだけど
体育祭のリレーで、ごぼう抜きして
それからすごい、卒業式まで
告白ラッシュがあったらしい
『Azurite』ファンクラブ三番
それと”Chea-Ruu”の
『灰谷』と『青山』が好き
そんな理由から卒業まで
好きな音楽の話して 結構盛り上がった
「―――… えっ
モデルやめたの?!」
「辞めてない辞めてない
ただ、まだまだまだ新人だからさ
東京の一人暮らしは
ちょ〜っとキツいってわかったんで
軽く地元に戻って来てた」
「… そっかぁ」
「ええ、甘かったです。」
ニコッと笑った顔
それだけで、大変なのわかった…
「葉山はなんか、バイトしてんの?」
「え… あ
大学にね?バイト募集の紙とか
いっぱい貼ってあるんだけど
なんかまだ、ヒマなくて」
「ライヴとか…
音楽やるの、大変だろ?
スタジオ代とか」
「う〜ん…
前は、学校で」
「うん」
「毎日練習出来てたから
ライヴ代の事しか考えてなくてー」
「あ〜、わかるわそれ
俺も一人暮らししててさあ
冷蔵庫って
”どこでもドア”じゃないのな」
「あはははっ」
「笑うなって!マジマジ!
ほら、実家にいりゃさ
なんかテキトーにあるじゃん」
「バイトかぁ…」
「――… なあ、葉山
まだ決まってないならさ
俺が働いてるとこで、バイトしない?」
「へ?」