―不可能な共存―
「矢崎ツカサはあたしにこう言ったの。


『お前の親父の借金、俺が払ってやってもいい』って。


でも、もちろん条件がある。さて、何て言ったでしょう?」









あたしはその残酷なクイズに答えなかった。



答えられなかった…










「俺のおもちゃになれ」











あたしは目をつむった。



あまりに酷い話だったからではなく、それを語るツバキが笑っているから。



この子の心は壊れてしまっている。



「小5でそんな事言われたあたしの気持ちがわかる?


それから7年間、あたしは本当にあの男のおもちゃだった。


矢崎はお父さんが働こうとすると、ことごとく邪魔すんの。


だから、あたしは矢崎から逃げるわけにはいかなかった。


家族を死なせたくなかったから。


あたしがそんな目に合ってる時に矢崎の娘は父親の金でで何不自由なく生活してる。


何をして稼いだ金かも知らないで。


だからあたしはユウリも恨んだ」
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