夕暮れ
先輩の指定した公園は
昇の大学の近く
柳公園と言うところ。


名前の通り
柳の木がたくさん植えられている。



先輩はベンチに座っていた。



何か重い空気…。


「何だよー先輩~。デートくらい2人でしろよ!」


明るく言ってみた。


「猛…あんたのせいでしょ!能天気なこと言わないでよ!」


ヘコんでるかと思ったら
先輩元気そうだな。




「何で俺の…」
せいなんだよ!
と続けるつもりが
昇に引っ張られ言えなかった。

俺の腕を掴んだままの昇を見ると
まっすぐ先輩をみていた

「連れてきたけど?」

昇はシレッとして言った。



「何のためによんだんだよ。俺こういうの嫌いなんだけど…」


表情は穏やかそうにみえるけど、明らかに怒っている昇をみて
着いて来たのが逆効果だと気がついた。



先輩は、気がついてないよな。




「何で連絡くれなかったの?」

「半月くらい大丈夫かと思って」

「何度も…電話したでしょ?」


「うん。悪かった。ごめん…」



「誰といたの?」


「…聞かないとわからない?」



昇は
少し微笑んだ。



「つうか…何のためにわざわざ猛よんだんだよ。」


「何でって…」


「無いの?理由」



まぁ…
言いたいことは
分かるけどね。



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