MARRIAGEABLE─お年頃─
バスルームで鏡に映った私の鎖骨付近に、小さな赤い痣を見つける。

それは記憶がないにしろ、昨夜の出来事をありありと感じさせた。

タケトはシャワーを終えた後だったのだろう。

濡れた髪を拭きながら私の前に姿を現したタケトを思い出し、胸が早鐘を打つ。

正直、戸惑う。

どんな顔をして会えばいいのか、どう接すればいいのか。

そんな事よりも、私自身が今までと同じ様にタケトと向き合う事ができるのか、疑問に思う。

友だちと思っていたタケトが男だと認識してしまった今、それを正直に認めてしまうべきなのか、それともその感じた事に蓋をし誤魔化し続けるべきなのか。

ただの友だちに戻れないかもしれない…。

タケトは私とこうなって、どう思っているのか。

ひょっとしたら、タケトにとって昨夜の事はそう珍しい事ではないのかもしれないが。

熱めのシャワーを頭から浴びる私の頭の中は、そんな思いが蠢いていた。



< 21 / 59 >

この作品をシェア

pagetop