MARRIAGEABLE─お年頃─
彼に抱かれているその時だけは、彼は私だけを見ていてくれる。

だから私はその身を彼に委ねる事に、躊躇も戸惑いも何も無かった。

私の身体を這う彼の掌も指もその唇も。

すべては私の為…。

誰もが私と彼の付き合いに反対していた。

「そんな男やめなよ。」

「絶対他にも女いるって。」

でも、もう後には引き返せなかった。

誰にも見せる事が出来ない涙。

泣く時はいつも1人。

誰にも心の内を打ち明ける事も出来ない。

友だちにも、幼馴染で親友のナオにも。

ただ、1人を除いては…。



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