MARRIAGEABLE─お年頃─
あの後、私と彼がどうなったか詳しい話はヒロくんにしていない。

そんな私をヒロくんは何も言わずに、見守っていてくれた。

私が「ヒロキごめんね…。」そう言っただけで、微かに笑みを浮かべたヒロくんは何も聞いてこなかった。

私は彼と結婚し、ヒロくんとはまだ友だちでいる。

結婚の報告をした時も「おめでとう。」そう笑顔で言ってくれた。

ヒロくんが私と友だちでいてくれるかぎり、私はヒロくんの友だちでいようと思う。

ヒロくんからすれば、酷い女なのかもしれない。

でも私は…。

彼から離れる事が出来なかった。

辛い事は沢山あった。

でも彼はきっと運命の人だと思うから。

今、彼は私だけを見てくれている。

不安な気持ちにはならないし、疑いの心もない。

一緒に残りの人生を歩んで行こう。

そう2人で誓ったから。



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