MARRIAGEABLE─お年頃─
「ヒロくん!」

立ち去ろうとするヒロくんを私は呼び止めた。

首だけ振り返ったヒロくんは「どうした?」と私に聞く。

「あの時はごめんね…。」そう口は動きかけたが私はその言葉を飲み込み、代わりに

「ナオとタケトを2人にしてやって。」

そう口走っていた。

ふふっと笑ったヒロくんは「分かってるって。」それだけ言って右手を上げると私の前から去って行った。



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