満月の銀色ススキ
誤魔化すように笑って、髪に手を伸ばした。

触れるか触れないかの距離。
ススキの躰はふわりと後ろに飛んだ。

望月の手は、空を切った。


「ススキさん…」


「駄目だよ。触らないで」


「…私が人間で、ススキさんは違うから?」


望月はにこりと笑った。

ススキは数メートル離れた木の上に足を着けていた。
人間では考えられない跳躍力。


「…そうだよ」


お面を押さえながら、ススキは静かに肯定する。
不確定だった疑問は一つ、確信に触れた。


「顔を見せてくれないのも、私が人間だから?」


自分で紡いだ言葉が、淋しかった。

それが表情に出てしまったのだろうか。
ススキは顔を逸らした。
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