満月の銀色ススキ
望月は肩を竦めた。

顔を逸らす、ということは事実なのだろう。
もしそうでなくても、話したくないことであるに変わりない。


「…私、ススキさんはススキさんだと思うんだ」


視線をススキから地面に落とす。
向けた視線のまま、一つ、二つと位置をずらしながら言った。

今度はススキが望月を見る番になる。

瞳には望月の旋毛が映るだけ。
表情を窺うことは出来ない。

ただ、何処までも声は柔らかだった。


「ススキさんが誰でも、何でもいいの。だから、私は明日もここに来るね」


今日はさよなら。
そう言って、望月は笑顔を見せた。

ススキは、何も言わず望月の背中を見送ることしか出来ずにいた。
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