満月の銀色ススキ
いつの間に経ったのだろうか。
辺りは薄暗さを帯びていた。

望月を見送ってしまって、ふとススキはそれに気付いた。

するりと黒いものが肩口を通り過ぎた。

ススキは素早くそれを掴み、握り潰す。


(魑魅魍魎が動き始めた…)


ススキはそう心の中で呟いた。

小さなものが動き出したと言うことは、力を持った大きなものが出て来るのは時間の問題だ。

ましてや、今はお盆。
霊的なものが強くなる時期だ。

その時間が早まるのは考えられない内容ではない。

ススキは脚に力を込めた。

すとん、と地面に足が着く。
それと同時に駆け出していた。
< 19 / 72 >

この作品をシェア

pagetop