満月の銀色ススキ
蔓のような黒いものが足首に絡まっていた。
外そうと足を引けば、それは余計に締め付けた。


「な…に…?」


状況が理解できない望月は、思わず声を震わせた。

足首はどんどん痛みを増していく。
黒い蔓が締め付ける力を強めているのだった。

蔓は反対側に伸びている。
それを目で追うと、黒い塊に行き着く。

巨大な岩に足が生えたような、蜘蛛のように見えた。


「離して…っ!」


道の土を掴んで投げつける。

効果はない。
まるで、霧のように通り抜けてしまった。

望月は唖然とした。

そうしている間にも、足は締め付けられ、黒い塊に引きずられる。
本能的に、喰われると感じた。
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