満月の銀色ススキ
――ザクン…!
何かが、鋭く裂かれる音。
『ギイイイイイイィッ!!』
耳を塞ぎたくなるような悲鳴が響いた。
断末魔のようなそれに、反射的に目を瞑る。
音が遠ざかり、恐る恐る目を開けると、黒い影の足が殺がれていた。
「望月、大丈夫…?」
「ス、スキ…さん…?」
声に視線を向けると、もう見慣れてしまった狐のお面。
望月はその姿に酷く安堵した。
ススキの右手は、墨のような黒い液体で汚れている。
黒い塊の血なのだろうか、と呑気に思った。
「今の時期、夕暮れに出歩くのは危険だよ。特に、望月みたいなのは」
ススキの言葉に、望月は疑問を浮かべた。