満月の銀色ススキ
「ススキさん!」
望月は泣きそうになりながらススキの名前を叫んだ。
吹き飛んだススキは鈍く躰を起こす。
起こす際に、傷でも負ったのか顔を押さえている。
カラリと、軽い音が響いた。
「…!」
望月は息を呑む。
色素の薄い茶髪と、押さえている指の間。
そこから月によく似た金色の瞳が覗いた。
「消えろっ!」
ススキが左手を下から上に振り上げる。
瞬間、岩のような塊の部分が真っ二つになった。
三つ瞬きをしている間に、黒いものは跡形もなく消えてしまった。
望月は、十数秒動くことを忘れる。
だが、すぐに立ち上がってススキに駆け寄った。