謝罪人 Kyouko
信号が青になった。
車がゆっくり動き始めた。

「恭子さん・・・ひょっとしたら、また松山に会ったんですか?」

中居は久美が、松山の妹ということを知っている。
恭子が、久美のことを気になっていることを推測した。
そのため、中居が確信したように尋ねた。

「・・・・・・」
恭子は、中居の顔を見れずに黙った。

「昨日、松山に会って何か言われたんですね。まったく・・・ルール違反ですよ」
中居は、少し不機嫌そうに言った。

これ以上は、ごまかせない。

仕事のうえでのルール違反であることは間違いない。
恭子は素直に悪いと思った。

「申し訳ありません」
恭子は、中居に頭を下げて言った。

「・・・・・・・」
突然、中居は、恭子の謝罪に何か不思議なものを感じた。







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