もしも僕に。


教室に入ると女子がキャアキャア騒いでいる。

うるさいと思った。

「バレンタインだもんね…」

1人、ボソッと呟く。

女子の中心には榎月。

「榎月くん!」
「これもらって!!」
「かっこいい!」


キーキー声が飛び交う。

それを横目で見ていたら榎月が私に気付いたらしく、こっちに来た。



「よぉ」

「おはよ」

「朝からうるせぇんだよ、あいつら」

「いいじゃん♪榎月チョコ好きなんでしょ?」

「まぁ…」

「あれ、でもこないだ甘いもの苦手って…」

「チョコは別だろ!」

たまに見せる子供っぽい行動や仕草を可愛いと思う。

私はクスクス笑いながらチョコを榎月の目の前に差し出した。


本人はポカーンとしていた。

「いらなかった?」

「…くれると思わなかった」

「まぁ、義理だから。これからもよろしくってことで♪」

「どーも」

あ、誕生日プレゼントも渡しちゃおっかな。

「あとこれ。少し早いけど誕生日プレゼント」

「まじ!?」

「まじまじ」

「うわ!嬉しい!」

こんなに喜んでくれるとは。

「なんか勿体ねー」

「使ってよね」

「おう」




_
< 47 / 85 >

この作品をシェア

pagetop