もしも僕に。


そのあと、拓真っていうバカが詳しい事情を南桜に話した。

話を聞き終わった南桜はケラケラ高らかに笑い出した。

「みゆちゃん凄ぇ」

は?何がよ。
私は南桜を睨みつけた。

「あのタクに喧嘩売るとか」

ククッと腹を抱えて再び笑い出した。

「……何が言いたいの?」

「タクに、あんな態度取る奴見たことなかったから、根性あるなーって」

南桜は時折、クスっと笑いながら説明をした。

「南桜、笑いすぎだ。ただのむかつく女だけだろ」

「な…!」

なによ、全部私が悪いわけ?

そりゃあ下を向いて歩いてたのは事実だけど、ほ私をったらかしにしたのは南桜じゃない…。

「タクは言い過ぎ!」

むかつく女という言葉に対し、私をフォローする発言をした。

しかし、それとは裏腹に表情はバカにしたような笑みを散りばめている。


私は何も言わずさっき蹴った所をもう一度蹴った。

「っい!?」

顔を歪めて私を見てきた。

もたろん私は唇を突き出し誰がどう見ても“不機嫌”。

「さっきからなんだよ?」

「…っ…な゙ん゙で…私ばっがぁ゙…?」

泣き出してしまった。
南桜のまえで泣きすぎだ。

「え!?み、みゆ…?」

「おいっ…どうしたんだよ…」

南桜だけじゃなくバカも動揺し始めた。

「…ば、バカぁあ…っ」

私は南桜の背中をバシバシ叩いた。

「落ち着けって…!」

私の腕を阻止したのはあのバカだった。


_
< 85 / 85 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ハ ナ ビ ラ

総文字数/5,458

詩・短歌・俳句・川柳80ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【シアワセ】の意味を あなたは知っていますか? _

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop