もしも僕に。


むかつくむかつくむかつく…。
なによ、なによ。

やばい…また泣きそう……。
泣くな泣くな泣くな…。

「みゆ!!」

振り向けば南桜が焦ったように名前を呼びこちらへかけてくる。

「…………」

「なに怒ってんの?足いてぇし…」

「バカバカバカバカ!!!」

「だから────」



「な、お?」

さっきの男が声を出した。

「谷本南桜…?」

「そうだけど───拓真!?」

「拓真拓真!うっわ久しぶりじゃね!?」

「まじ久しぶり!」


え…この人が噂の拓真?

「さっき店いったら拓真いなくてさぁ」

「悪ぃ悪ぃ。いろいろ買い物してきてた」


また私のこと無視して話進めるし…。

なんなのさ、本当に。


「てか南桜聞けよ!このバカ女がさぁ!」

「な!?バカはそっちでしょ!」


このやり取りに南桜はキョトンとしていた。

「え、知り合い?」

「「誰がこんなバカと!!」」

ハ、ハモった…。
最悪だ。


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