【完】ひとつ屋根の下で。
着いたところは、多分、港。
「沖縄人のくせに、船酔いとか大丈夫だよね、アンタ」
「なめんな。アタシ、船が沈んでも泳いで助かる自信、あるから」
アタシの答えに『色気ねーの』なんて呟いたヒカルは、緩やかに微笑み、アタシの手を取る。
向かったのは『納涼の宴』と書かれた旗を持つおばちゃんの前の船。
「遊覧船のチケットもらったから。アンタ、もうお酒飲めるでしょ?付き合ってよ」
「昼っぱらから酒か。変わらないね、アンタ」
でも、そんなオッサンなとこも含めて、ヒカルって人間なんだよな。
「言っとくけど、向こうで漁師のおじい達に大分強くされたから、覚悟しな」
「おーこわ。酒飲みな苺なんか、俺しか愛せないね」
不敵に笑うヒカルに、アタシも小さく笑みをこぼす。
アタシ達の時間はそれぞれ進み、だけど今、こうして、また交わっている。