【完】ひとつ屋根の下で。
遊覧船なんて生まれて初めてで、アタシにしてはテンションも上がっている。



「苺、まだジョッキ空かないの?」



「うっせー。胃がちいせぇんだよ、か弱い乙女なもんでね」



アタシはヒカルに煽られ、ビールを飲み干す。炭酸でお腹と喉がヤられる感覚。



「いーぞー姉ちゃん!もっと行け!」



あまりに飲みっぷりの良いアタシ達に、いつの間にか周りはギャラリーになっている。



「なかなか酔わないね、苺」



「馬鹿言え。こんなもんどってこと無いし。ヒカルはそろそろ、目が据わって来てんじゃね?」



アタシ達の煽り合いに、盛り上がる周りの人々。



沖縄ならともかく、東京の人達もアットホームに、こんなことになるとは、思いもしなかった。



少し酔って濁った翡翠色の目のヒカル。



「アンタ、帰りどうすんだよ、飲みやがって」



「ばーか、泊まりだっての。頭悪いの、苺は」



酔おうが酔うまいが、憎まれ口ばっかりのアタシ達。



「ビール2杯追加」



ヒカルの注文に、更に湧く、周りの声。



嗚呼、アンタとなら、何処にいても、何をしていても、楽しいね、ヒカル。
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