【完】ひとつ屋根の下で。
立ち上がり、ひょろり、と、伸びた腕を更に上に伸ばし、笹の葉を摘むヒカル。



「ねえ苺、プチ灯籠流し、しようか」



「灯籠流しって、季節感ねー。もう、1ヶ月も前だよ、シーズン」



ヒカルはアタシの言葉に、細かいこと気にすんなと言わんばかりに、アタシの頭を軽く叩く。



「しかも、灯籠ねーし」



「苺うっさい。代わりに、笹舟ながそーよ」



「それじゃ灯籠流しって言わないっつうの」



まあ、いいか。だって、目の前のヒカルが、穏やかに、笑ってる。



細まったヒカルの翡翠色が、泣けそうなくらい、美しい。
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