【完】ひとつ屋根の下で。
「……アンタが帰ってきたら、いっぺんこういうのしたくて、金貯めてたんだよ。まあ、病気といえ、島本の家には学費と家賃出してもらってるし、バイト代浮いて、ね」



そう言ったヒカルは、少し照れたように、ぽりぽり、と、後頭部を掻いた。



「そう。アタシ、愛されてんね」



「ばーか、そういうこと、普通に口にしないでくれるかな」



嗚呼、ヒカルの言葉という音のひとつひとつが、温かい。



アタシを、じわん、と包み込む。



そういう、優しい温かさが、アンタといると、不思議と、アタシを侵食していくんだよ、ヒカル。
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