女の子のカラダ。
「…高遠君…」
「先に帰ろうとしただろ~?ったく。
帰ろうぜ。毎日送り迎えするって言ったじゃん。聞いてたの?」
ちょっと小ばかにするようにクスクス笑う彼。
「聞いてたけど、なんか近寄れなくて」
「はぁ?…まぁいいや。
これからは勝手に帰んないで待っといてよ?」
そう言って自転車小屋に並んで向かう。
朝来た道をそのまま帰る通り道。
…今日は風が涼しいかも…。
髪がなびくそよ風に浸ってしまう。
服の裾をちょん、と掴んで、しっかり握った。
周りの生徒の視線にももう慣れてしまった。
今日あったことを楽しそうに話す高遠君の後ろは
とても居心地がよかった。